
- 腰が痛くて家事ができず家族に迷惑をかけている
- 肩こりから解放されてストレスをへらしたい
- 仕事で上司から注意され落ちこんでいる
体が気持ちがしんどいときには、マッサージでも受けて、日ごろの悩みを忘れたいですよね?
しかし、あんまやマッサージ、リラクゼーションなど、どこに行けばいいのかわからないケースがあります。
なにも知らないまま利用した結果、お金や時間もうしなってしまい、さらにストレスがたまる場合も……
この記事では、国家資格を持っている筆者が、あんまと街中でよく見かけるリラクゼーションのちがいについて紹介します。
大きなちがいは国家資格のあり or なし。
- あんま(マッサージ)=あんま・マッサージ指圧師という国家資格
- リラクゼーション=資格は必要なし
利用するときの基準は、つぎのとおりです。
- 肩こりや腰痛をなんとかしたい→あんま・マッサージ
- 疲れている、ストレスを発散したい→リラクゼーション
くわしくみていきましょう。
あんまマッサージとリラクゼーションのおもなちがい4つ

- 資格について
- 利用目的
- 施術を受けるまでの流れ
- 施術内容(業務範囲)
①資格について
あんま・マッサージ指圧師は医療系国家資格
- 3年間、専門学校に通う必要あり
- 実技だけでなく解剖学や生理学、基礎医学も学ぶ
- 年1回の国家試験に合格すると厚生労働省より国家資格(免許)があたえられる
あんまは医療系国家資格のため、治療行為として施術が受けられます。
リラクゼーションは民間資格 or 無資格
リラクゼーシは国家資格ではないため、試験を受ける必要もなく、だれでもなれます。
極端な例ですが、いまこの記事を読んでいる方が、明日からリラクゼーシとして施術をしても法律上の問題はありません。
②利用目的
あんまを利用する目的:治療行為としての施術が受けられる
腰痛や肩こりをマッサージでなんとかしてほしい
あんま・マッサージ・指圧師のいる施設であれば、肩こりや腰痛などにたいして、治療行為として施術が受けられます。
リラクゼーションを利用する目的:ゆっくりした時間を過ごす
疲れているのでゆっくりした時間を過ごしたい
あんまとちがい、肩こりや腰痛などの治療としての施術は受けられませんが、ストレス解消やゆっくりした時間を過ごすために利用は問題ありません。
③施術を受けるまでの流れ
あんま:施術前に問診を受ける必要がある
肩こりや腰痛などの症状の確認と合わせて、ほかの病気がかくれていないかを確認するために、問診を受ける必要があります。
痛みの原因や出かたから、あんまマッサージで対応できない場合は、医療機関の案内をしていただけます。
リラクゼーション:カウンセリングで施術を希望する部位を伝える
利用した場合、カウンセリングで施術を希望する部位を伝えることになりますが、セラピスト側から症状を確認することはできません。
リラクゼーションセラピストが、肩こりや腰痛など、体の状態を確認した場合、医師法にふれるおそれがあります。
原則、医師の管理のもとでなければ、医師免許を持たない人は、体の状態を確認する問診ができません。
例外:あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師は問診可能
くわしくはあんまとリラクゼーション&整体のちがい:カウンセリングはOKだけど問診はNGに?(リンク)
④施術内容(業務範囲)
あんま・マッサージ指圧師の業務範囲のなかに、リラクゼーションもふくまれるため、イメージとしてはつぎのようになります。
ここまでのまとめ
- 医療系国家資格
- 治療行為としての施術OK
- 問診を受ける必要あり
- 業務範囲にリラクゼーションを含む
- 無資格 or 民間資格
- 治療行為としての施術はできない
- カウンセリングで施術してほしい部位を伝える
- 業務範囲に治療行為はふくまれない
筆者が経験した無資格リラクゼーションセラピストの例

肋骨を押されて、骨が折れるかと思いました。
肋骨はとてもうすい骨のため、女性の力で押しても簡単に折れてしまいます。


あんまマッサージ指圧師のなかでは無資格の施術者に対して疑問も?


さきほど紹介したように、無資格のリラクゼーションセラピストとあんまマッサージ指圧師では、仕事の内容が一部かさなります。
また実際には、無資格のリラクゼーションセラピストが、肩こりや腰痛などの施術(治療行為)を行っているケースもあります。
たとえるなら、運転免許を持たない人が公道を走っているともいえますね。
海外では国や地域が認めた資格・免許を持っているのが前提の仕事
- アメリカ
- 中国
- 韓国
- ベトナム
など。
アメリカでは民間資格ではなく、州で認められた資格が必要です。
✔ハワイにおけるマッサージ資格について
アメリカではマッサージの資格(ライセンス)は各州が管理しています。
無資格が放置されている理由
厚生労働省が問題を放置しているため、無資格の施術者はグレーな存在とみているあんまマッサージ指圧師の方もいます。
昭和35年の判例
本年一月二十七日に別紙のとおり、いわゆる無届医業類似行為業に関する最高裁判所の判決があり、これに関し都道府県において医業類似行為業の取扱いに疑義が生じているやに聞き及んでいるが、この判決に対する当局の見解は、左記のとおりであるから通知する。記
1 この判決は、医業類似行為業、すなわち、手技、温熱、電気、光線、刺戟等の療術行為業について判示したものであって、あん摩、はり、きゅう及び柔道整復の業に関しては判断していないものであるから、あん摩、はり、きゅう及び柔道整復を無免許で業として行なえば、その事実をもってあん摩師等法第一条及び第十四条第一号の規定により処罰の対象となるものであると解されること。
従って、無免許あん摩師等の取締りの方針は、従来どおりであること。
なお、無届の医業類似行為業者の行なう施術には、医師法違反にわたるおそれのあるものもあるので注意すること。
2 判決は、前項の医業類似行為業について、禁止処罰の対象となるのは、人の健康に害を及ぼす恐れのある業務に限局されると判示し、実際に禁止処罰を行なうには、単に業として人に施術を行なったという事実を認定するだけでなく、その施術が人の健康に害を及ぼす恐れがあることの認定が必要であるとしていること。
なお、当該医業類似行為の施術が医学的観点から少しでも人体に危害を及ぼすおそれがあれば、人の健康に害を及ぼす恐れがあるものとして禁止処罰の対象となるものと解されること。
3 判決は、第一項の医業類似行為業に関し、あん摩師等法第十九条第一項に規定する届出医業類似行為業者については、判示していないものであるから、これらの業者の当該業務に関する取扱いは、従来どおりであること。
別紙 略
引用:○いわゆる無届医業類似行為業に関する最高裁判所の判決について:厚生労働省
たしかに過去の判例では、体に害をおよぼさないかぎり、無資格でもOKとなっています。しかし、60年以上も前の判例を現在もひきずるのは、やや疑問が残ります。
カイロプラクティックや整体は?
いずれも国家資格ではないため、日本国内で治療行為をした場合は、医師法の対象になります。
海外の資格をもっているといっても、日本では利用できないため注意が必要です。



日本の運転免許証では、海外で車が運転できないのとおなじです。
まとめ
- 医療系国家資格
- 治療行為としての施術OK
- 問診を受ける必要あり
- 業務範囲にリラクゼーションを含む
- 無資格 or 民間資格
- 治療行為としての施術はできない
- カウンセリングで施術してほしい部位を伝える
- 業務範囲に治療行為はふくまれない
大事な体をあずける前に、自身の目的をもとに、利用する施設を選びましょう。
まちがえると、お金も時間も失う結果になりかねません。



参考にしていただければ幸いです!